クロスバイクのタイヤ空気圧を所定数値に保つことはメンテナンスの基本中の基本。
適正な空気圧を保つことは簡単にできるにもかかわらず、他のどんなメンテナンスよりも効果があります。
今回は定期的な実施がマストである空気入れについてご紹介します。
空気入れ(空気圧調整)が必要な理由
どんな自転車でもタイヤの中に空気が入っている以上は空気圧調整は必須です。
空気圧が低い場合、以下のようなトラブル・弊害が発生します。
- パンク防止・・・段差等での衝撃でパンクしやすくなる
- 快適な走行・・・抵抗が大きくなる(スピードが出ない、グリップしづらい)
- タイヤ摩耗・・・タイヤ設置面積が増え摩耗が速くなる(タイヤ寿命が短くなる)
特にロードバイクやクロスバイクは走行性を高める構造として通常の自転車よりタイヤ幅が狭く、内部の空気圧は高くなっているので、その重要性はさらに増します。
空気圧が高いということはその分、空気が抜けやすいということでもあるので、毎日の乗るような方は少なくとも週に1回、それ以外の方でも2週間に1回は空気入れを実施するようにしましょう。
必要な空気入れ(仏式バルブ対応の空気入れ)
通常の自転車が”英式バルブ”というバルブを採用しているのに対し、一般的なクロスバイクには”仏式バルブ”という異なるバルブが採用されています。ですのでクロスバイク用の空気入れは仏式バルブ対応のものでなければなりません。
私が使用しているものはパナレーサー(日本製)の空気入れ。
英式バルブ用のクリップも付属しているので、通常の自転車(英式バルブ採用)にも空気を入れることができます。ついでに言うと、ボールや浮き輪用アダプターも付属しています。
空気入れ本体には空気圧計もついているので、所定の空気圧を確認しながら空気を入れることができます。所定の空気圧を維持するにはこの空気圧計が必須なので、必ず空気圧計がついているものを購入するようにしましょう。

通常の空気入れでではめんどくさいという方には電動自動の空気入れがおススメです。
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指定の空気圧を設定し、あとはボタンを押すだけで空気入れが完了する優れものです。

仏式のクロスバイクだけでなく、以下にも対応しており、これ一つあれば空気入れは十分です。
- 通常の自転車(英式)
- 車/バイク(米式)
- ボール/浮き輪
空気入れの手順
それほど難しい作業ではありませんが、パナレーサーの空気入れを使用した空気入れ手順も紹介しておきます。
所定空気圧の確認
まずは”所定の空気圧”を確認してください。所定の空気圧はつけているタイヤによって異なります。多くのタイヤでは側面(サイド)のどこかに所定の空気圧が記載してあるのでまずはその数値を確認してください。
空気圧の単位は以下3つのいずれかで表記されているはずです。
- psi(ピーエスアイ)
- bar(バール)
- kPa(キロパスカル)
それぞれの換算前後のおおよそ数値は以下になります。
換算前単位/換算後単位 | psi | bar | kPa |
1psi | – | 0.069bar | 6.89kPa |
1bar | 14.5psi | – | 100kPa |
1kPa | 0.145psi | 0.01bar | – |
私のESCAPE R3(2012モデル)には現在パナレーサー/コンフィを装着しています。
タイヤ側面(サイド)に表記してある標準空気圧の数値は以下の通りです。
- 105psi
- 7.4bar
- 735kPa
ちなみにチューブは同じくパナレーサーの700×23~26Cを使用しています。
空気入れのセット
①バルブキャップを外します

②バルブを緩めます

③空気入れをバルブにセットします


空気入れをセットした状態でレバーを倒します

ゲージの設定と実際の空気入れ
①空気圧ゲージの目盛りを装着タイヤ所定の空気圧に合わせます。(パナレーサー/コンフィの場合7.4bar/735kPにセット)

②ピストン運動で目盛りの箇所にゲージが到達するまで空気を入れます。

空気入れの取り外し
①レバーを起こします。

空気入れを取り外してバルブを締めます。


バルブキャップ取り付け締めて完了です。

効果確認
クロスバイクのタイヤ空気入れの効果は以下の通り。
№ | 項目 | 私的評価 | 効果解説 |
① | 走行性 | ◎ | 空気入れ前後で漕ぎ出しの軽さとスピードの乗りが全く異なる。 適正空気圧で走行すると明らかに軽い。 |
② | 見た目 | – | 見た目は全く変わるものではありません。 |
繰り返しになりますが、簡単に実施できて、なおかつ、走行性への効果が一番大きいメンテナンスです。
作業難易度
空気入れの作業難易度は【★】です。バルブへの取り付け/取り外しのコツさえ掴めば何も難しいことはありません。
難易度 | 難易度の位置づけ | 今回の作業への補足 |
★ | 初心者でも簡単に対応できる | バルブへの取り付け/取り外し以外は通常の自転車空気入れと同様 |
☆☆ | 初心者でも対応できる | |
☆☆☆ | 初心者でもしっかりと準備をすれば対応できる |
適正タイヤ空気圧での乗り心地は空気が抜けた状態とは雲泥の差があります。簡単に実施できて走行性に多大な影響を与えるメンテナンスですので、定期的に実施していきましょう。
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