クロスバイクのタイヤは消耗品。路面に接地している部品なので摩耗によりすり減っていきます。
消耗したタイヤでクロスバイクに乗り続けているとパンク等の不測の事態に遭遇する確率が高くなるので、消耗が見られる場合は交換対応をすべきです。
今回はそのタイヤ交換について私のクロスバイク【GIANT/ESCAPE R3 2012年モデル】での実例を用いての解説です。
タイヤの消耗
これまで私がESCAPE R3に使用していたタイヤは【パナレーサーのコンフィ 700×28C】。
期間として3年ほど使用しており、以下写真のようにトレッド面にひび割れが見られていました。
さらにタイヤ側面のゴムもひび割れが発生している状態。
このような状態までタイヤ交換を先延ばしにするのは本来NGです。外観に以上が見られる場合は即時にタイヤ交換の対応をしましょう。
タイヤ交換に必要なアイテム
まずはタイヤ交換に必要なアイテムについて。
交換用のタイヤに加えて、タイヤを取り外す際にタイヤレバーというものを使用します。
№ | 必要なアイテム | メーカー/品名 |
① | 交換用タイヤ | コンチネンタル/Ultra sports 3 |
② | タイヤレバー |
交換用タイヤ:コンチネンタル/700×28C
今回交換に使用するタイヤはこちら。ご自身の愛車のタイヤ適合サイズに合わせて選定してください。
タイヤレバー:パナレーサー
タイヤレバーについては単品で購入しても良いですが、パンク修理キットを購入するとセット内容の一つとして付属されてます。
パンク修理キットは必ず必要になるものですので、お持ちでない方はこちらを購入しても良いでしょう。
パンク修理を実施したい場合は以下記事を参照ください。
タイヤ交換に合わせてチューブも交換することも可能です。
交換用タイヤチューブの例:パナレーサー/700×27~31C
パンクは意図せず急に発生するものなので、私は常に予備のタイヤチューブをストックとして保有しています。
タイヤ交換の手順
次に実際のタイヤ交換手順について説明します。作業難易度は【★★】。パンク修理を実施したことがある方であれば、タイヤ交換作業はその簡易版なので何も問題なしです。
難易度 | 難易度の位置づけ | 今回の作業への補足 |
☆ | 初心者でも簡単に対応できる | |
★★ | 初心者でも対応できる | 後輪の取り外し/取り付けは初回は難しいく感じる可能性あり。 一方で手順に従い一度実施すればマスター可能 |
☆☆☆ | 初心者でもしっかりと準備をすれば対応できる |
今回の説明もほとんどがパンク修理の手順と同じです。
それでは実際の手順を説明していきます。一点補足ですが、【※後輪のみ】の表記があるものは文字通り後輪のみへの対応で前輪への対応は不要です。
摩耗タイヤの取り外し
まずは車体からタイヤ(ホイール)を外す必要があります。
ギアをトップ/一番外側にします。(チェーンを一番外側に移動させる) 【※後輪のみ】
ブレーキを開放しタイヤを外せるようにします。
さらにクイックリリースも開放します。
私のクロスバイクのスタンド(GIANTの純正品)はハブのシャフトへ取り付けされている上に、ボルトでフレームへも固定されてるものなのでフレームへ固定しているボルトも外す必要があります。 【※後輪のみ】
(スタンドなしやフレームのみに取り付けされているスタンドであれば不要な手順)
これでタイヤの取り外し準備が完了です。
ここからがタイヤ(ホイール)の取り外しですが、少しコツがいります。
車体を持ち上げてタイヤを外すのですが、そのまま持ち上げるとハブシャフトとリアディレイラーが干渉してうまく外れません。 【※後輪のみ】
そこで手でリアディレイラーを後ろに押し下げてタイヤが外れるようにしてあげる必要があります。(以下写真はリアディレイラー押し下げ前) 【※後輪のみ】
リアディレイラーを後ろに押して車体を持ち上げることで、スプロケットからチェーンが外れ、そのままタイヤも外すことができます。 【※後輪のみ】
(以下写真のようにリアディレイラーを押し上げた状態で車体を持ち上げる)
これでタイヤ(ホイール)の取り外しがひとまず完了です。
タイヤを外した車体の方は傷がつかないように気を付けて安定した場所へ置くようにしてください。
次はホイールからタイヤを取り外します。まずはバルブキャップを取り外し、バルブの先端(小ねじ)を押し込み空気を抜きます。
続いてバルブを固定しているナットを外します。バルブキャップやナットは小さい部品なので修理中の保管は注意してなくさないようにしてください。
次にホイールからタイヤとタイヤチューブを取り外していきます。タイヤレバーをホイールとタイヤの間に差し込んで、取り外しの取っ掛かりを作ります。
取り外しを開始する場所はバルブから一番遠いところ(反対側)から開始してください。
タイヤの両端がホイールの外側に出ている状態(以下写真)にして、そのまま両周りで反対側のバルブに向かって円周上に外していきます。
最後にバルブ箇所もホイールから取り外しことで、ホイールからタイヤ(含むチューブ)の分離が完了です。
そしてそのままタイヤからチューブを引き出します。
新品タイヤの取り付け
次に新品タイヤで再度チューブも含めてホイールに組付けていきます。今回使用するのはコンチネンタル製のタイヤです。
まずはタイヤの片方のビード(ホイールの接触する場所)を全てホイールの内側に入れていきますが、回転方向(ROTATION)の指定があるので、取り付け方向には注意します。
以下写真のようにまずは片方のビード(ホイールの接触する場所)をホイールに入れ込みます。
次にバルブが付いている箇所のチューブをホイールの外側に出ている方からタイヤとホイールの間に挿入しホイールのバルブ穴にバルブを差し込みます。
そしてチューブの残りの部分全てをタイヤの中に挿入していきます。
そしてホイールの外側に出ていたビードもホイールの内側に押し込みます。まずはバルブの箇所から押し込みます。
その他の箇所も同様に押し込んでいきます。バルブ箇所から左右同時並行で円周上に進めていきます。
バルブの真反対側までくると、かなりテンションがかかっているので力がいることがありますが、両方から力をいれて押し込みます。
全てのタイヤ円周上でタイヤをホイール内側に入れて完了になります。
次にタイヤに空気を入れますが、その前ににチューブがタイヤとホイールの間に入ってないことを必ず確認してください。この工程を疎かにするとパンク発生に繋がります。
まずはバルブを押し込んでバルブ周りのチューブがタイヤとホイールの間で嚙んでいないことを確認します。
次にタイヤの全ての円周上で以下写真のようにタイヤを横にずらして、チューブが噛んでいないことを確認していきます。この工程は必ず左右両側でタイヤ一周分しっかりと確認を実施してください。(ずらした時にチューブが見えているのはNG)
全ての箇所でチューブが噛んでいないことを確認したらバルブのナットを締めます。
そしてタイヤに空気を入れます。(今回のタイヤの空気圧は8.0bar。ご自分のタイヤの所定空気圧を確認して行ってください。)
空気を入れた後には少し時間をおいて、空気が漏れていないことを確認するようにした方が無難です。
空気圧に変化がなければ問題なしです。(しばらく経っても800kPaで変化なし)
最後にバルブキャップを締めることもお忘れなく。
最後にタイヤ交換が完了したタイヤを車体に取り付けます。
まずは車体を持ち上げながらスプロケットをチェーンの間に入れて、チェーンをトップギア(一番外側)にのせます。 【※後輪のみ】
この際は、取り外ししたときと同様にリアディレイラーを後ろに押しながらタイヤを取り付けます。 【※後輪のみ】
以下の2枚の写真のようにタイヤ(ホイール)をしっかりと車体に載せます。
スタンドをフレームに固定するボルト/ナット/ワッシャーも忘れず取り付けます。【※後輪のみ】
(スタンドなしやフレームに取り付けされているスタンドであれば不要な手順)
次にクイックリリースを閉じます。2本の車体フレームの間で、簡単には手で開くことができない(力を入れれば開ける)ぐらいの場所で閉じます。
最後に開放していたブレーキを閉じれば全ての作業が完了です。
これで爽快なクロスバイクでの走行を取り戻すことができます。
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